盗まれた夏

ようやくほっとしてきた夏です。まだまだ夏真っ盛りなんですがね。

今年の夏はまあ忙しかった。

実は先月某日。住んでいるマンション上階の住人が火事を起こしましてその階以下全ての階の人に消火の際の放水により水漏れ被害を受けました。その日、仕事終わりに晩御飯を済ませて帰る途中に、大家さんから連絡が入ってようやく火事が起こったこと、住めない状況だということを知りました。

帰って早々大家さん宅にお邪魔し、事の発端や漏電の心配があり、電気が使えないこと、水の浸透により部屋が水浸しで消防の人が部屋に入って防水シートを掛けたこと、勝手に部屋に入ったことのお詫びとこれからの事を色々教わる。今日は用意されたビジネスホテルに泊まることに。

とにかく着替えがないことには始まらないので部屋に入って被害の確認。キッチンは天井、フローリング床が湿ってグズグズの状態。荷物は部屋の中心に寄せ集められて消防の防水シートをかぶせた状態だが散乱している。電気を止められた冷蔵庫。奥の和室の畳は濡れて買ったばかりの雑誌がヨレヨレ。電灯のランプの隙間から水が浸入していてガラスのカバーに溜まり、奥の押し入れにも水が浸入していた。そして臭う。火事の焦げた臭いにおいのする水が部屋中にまかれた光景だった。

それから火事を起こした人の賠償やら保証人である親の変な態度のおかげでもめにもめ。ようやく終わったのがつい最近のことだった。それまでビジネスホテルから遠いウィークリーマンションに住んだり、被害のあった家財道具の買い出しやらで休む暇がなかった。

そんなこんなで夏はそのでき事で半分を費やして、もはや疲れしか残らない。

東北大震災の被害者の人には比べられないが、私の不幸なことの一つだった。

用は火事には気をつけろということと、責任は一人で務まらないということを学んだ。とにかく私は休みたい。