『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』(87年・香港)

「ハンニャラハタミ…ハンニャラハタミ…」
監督: チン・シウトン 製作者: ツイ・ハーク 出演: レスリー・チャン, ジョイ・ウォン, ウー・マ ある時代の中国。不気味さから誰も怖がって寄り付かない古寺に、一人の貧乏書生が宿を求めてやってくる。そこで出会った謎の美女に恋をするのだが、彼女は行き倒れて死んだ幽霊で、この地を支配する妖怪に支配されているのだと言う。書生は霊退治の道士を味方につけて妖怪と戦う。 香港映画が誇るワイヤーアクション、SFXはすごいよ。この実写で描く力っていうのはハリウッドの方が勉強すべき表現だよ。だって変にCG入れないほうがリアリティーがあるもん。ジョイ・ウォンの妙に長い衣装がなびいたり、手足のように動くアクションカットが多いけど、CGで作り上げた描写の方がわざとらしくなるのは間違いない。だってこれがイメージそのままだもの。ラストの幻想的な『あの世』でのアクションだってこのままがいい。用は最近の映画はCGの使い方を考えて欲しいんだ。布と風を使った演出にも注目。 ツイ・ハーク監督というと(今回は製作者なんだけど、)ハリウッドでJ・C・ヴァン・ダムを使っても軽快なアクションを撮る人だけど、軽快さとコミカルはたがいに両立し合っている。わざとらしいエロチシズムははにかんで観れる。一瞬ギョッとするホラー、ファンタジーにラブストーリーをミックスしてるんだから映画として魅力たっぷり。 レスリー・チャン、自殺が悔やまれる。この初々しさは永遠だ。 ジョイ・ウォン、男を惑わす女幽霊にはぴったり。 DVDはドルビーデジタルだったけど、この時代モノラルじゃないの?画質だってメチャメチャ綺麗だし。