『借りぐらしのアリエッティ』(10年・スタジオジブリ)

「君たちは滅びゆく種族なんだよ。」

http://www.karigurashi.jp/index.html

物語解説は省きます。

言わずと知れた国民的大人気のスタジオジブリが今年放ったアニメ作品。劇場内はやはり小さな子供がわんさかいて映画に集中できないんだよね。大きな独り言はテレビの前だけにしようよ。

人間社会から「借り」をしてつつましく生きてる小人の家族に、掟を破って少年と意思疎通を行う主人公アリエッティの物語。人には決して知られてはならない小人たちの生活の描写、美術設定は見ていて楽しい。小人伝説が根強いイギリスの美術が主みたいで舞台となる翔が静養する祖母の家も洋館。ケルト音楽の主題歌も相まってここの舞台は日本なんだよとはなかなか思えない。

全体的にユーモラスな所が少なかった印象。あえて面白いキャラクターというならホミリーと敵役のハルさんだろうか?笑わないアリエッティの父のポッド、小人の掟に反発して問題を起こした責任を悔やむアリエッティ、心配性な母のホミリー、病弱な体質の翔、小人の存在に気づいて捕獲しようと考えるハルさん、小人のコミュニティも断絶されているアリエッティ一家、結構アンニュイな感じがする。小人の未来に対しての希望も少しは感じるかのような展開がなかったような印象を受けた。