新季

こんな空虚な気持になるのは季節のせいだと思いながらも、師走を通り過ぎて押し迫った感覚から脱した新年元旦の気分は人を変えさせたくなる気分にさせる。普段と変わらないお正月を迎え、なにか足りないこうありたいと願望だけがつもって、多忙の間にあれやっとけばよかったなんてちょうどいいいいわけを考えている自分に気づく。

12月30日 前日の忘年会の疲れもあったが部屋の掃除をあらかた済ませ、洗濯ものを部屋に干して昼過ぎのバスに乗って実家へ帰省。すでに姉が帰省していた。早めに寝る。

12月31日 昼過ぎからSL230の冬眠を起こして、少し寒いかもと思いながらも1時間半程ツーリング。防寒は全身くまなく防風を施すとそう寒くならないんだなと勉強になった。冬のツーリングには足首まで隠れるブーツがお勧め。帰ると兄が帰省していた。

1月1日 朝、豪華なおせちと香川県特有の餡もち雑煮を食べる。今年はすまし汁に餡もちだった。そして毎年恒例の着物を着て家族で記念撮影。午後からバイクで40分程出かける。風は強くないが雲の多い空から時より見せる午後の太陽は温かみを感じる。

1月2日 昼食の為に熊本の郷土料理『しるかえ』をつくろうと饂飩を打つ。南天の若い葉をつぶして饂飩の麺に練り込んで食べる。元々夏に食べるこの料理は茹でた饂飩をなんども水を変えて洗うことから「しるかえ」と呼ぶらしいが、南天は「難を転ずる」という意味を込めてか庭先に好んで植えられる樹木。今年は個人的にも家族にもそれぞれ不幸があったようなのでと自分から作るとかってでた。そして南天の葉は胃にもよいらしい。ざるうどんでは寒いのでかま揚げで食べた。うどんを自分で打って食べるのは何年振りか。午後に兄が、夜に姉が職場へ戻って行った。デジタル修復した『地獄門』を観る。難しい作品かと思っていたがシンプルでカット割りも表現豊かだった。

1月3日 午前中に母親と山へハイキング。上佐山という標高はそう高くない山だが見晴らしはとてもよい。朝から登山客が絶えない人気の山の様子。午後からSL230をいじってカスタム考案を練ってみる。

1月4日 朝から天気が悪くて雪が散る。寒いといいながらもガソリン満タンで保管したいのでスタンドまで行ってまた冬眠支度を済ませる。午後に高速バスでこちらに戻る。

こう並べてみると充実した正月休みだったかもしれない。