『ペルシャ猫を誰も知らない』(09年・イラン)

いつだって、音楽は自由への翼なんだ。
ペルシャ猫を誰も知らない [DVD]

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http://persian-neko.com/ 内容 西欧文化の規制が厳しいイラン。自由な音楽活動をしたいが為、偽造パスポートを作成して国外へ逃亡を図りたいアシュトンとガールフレンドのネガル。出国前に友人や家族の為に自分たちのインディー・ロックを聴かせてやりたいと、バンド結成を試みるのだが、無許可コンサートへの開催には数々の難問が立ちふさがる。 以外と知られていないがイランは映画大国で国内で制作される数は娯楽作も含めて多い。イラン革命後は西洋文化の禁止から作風は激しく制限されることになる。バフマン・ゴバディ監督は本作を最後にイランから離れたという。厳格なイスラム教国を連想するイランという国からは考えられない西欧文化的音楽の数々に驚いた。歌う曲も英語だったり、ペルシャ語のへヴィメタ、ラップ、ワールドミュージックなど多種に及ぶ。活動中の音楽家たちも自由を求めて国を出たがる人もいれば、現地に残って地道な音楽活動を続ける者などアンダーグラウンドの世界を垣間見る。個人の苦労が垣間見られるが手作りによるコンサート開催への道は観ていて楽しい。狭いながらも自由そのものだった。 全編無許可撮影による荒々しい撮影なのだが、生のイランという国が分かってくる。西洋文化流入に規制をかけているとは言いつつも女性はスカーフから髪を出していることも、若者はバイクで遊んだりしている事もある。 映画の中ではナデルという便利屋(二人の音楽性を気に入り、国外逃亡へ手助けする。)が出てくるのだが、警察に捕まった時に恩赦を得る為に口八丁で減罪を試みるシーンでは「コーランに誓って嘘は言いません。」とかなり無茶苦茶な事を言う。ナデルの乗るバイクは250cc相当のもの(メーカーまでは分からない)だと思うが映画の登場シーンは多く、狭い路地や道路を走っている姿も壮快でまた自由への表現ではないかなと思った。(ノーヘルは3人乗りは当たり前)。