『死刑弁護人』(12年・東海テレビ放送)

最高裁の弁護人は死刑執行まで背負う。 遺体を引き取り、葬式まで出す。 付き合っている人やで、「ほな、さいなら」とは、いかんやないか。 弁護士・安田好弘(64) 『死刑弁護人』 『死刑弁護人 予告』 この安田好弘という弁護士は何も好き好んで死刑事件の弁護人を務めているわけではない。死刑判決を受けるは凶悪事件の裁判で、その弁護を務めるのは経歴に傷をつける心配があり、誰もやりたがらないのだ。だがこの人は依頼があれば断らない。現在でも数件の弁護を請け負っている多忙な方なのだ。 受け持った裁判はどれもマスコミに大きく取り上げられた事件ばかりで、世間では裁判の判決に関心を持った方も多いだろう。ただどの事件にもここがおかしい、食い違う所があるとするとそれに疑問を投げかける前に判決が出てしまうというのは如何なものかと思う。実際の死刑因との手紙のやりとりが生々しい。 死刑が執行された後に遺体を引き取ることにも残酷さを感じるだろう。いくら死刑因でさえ罪悪の念に思い悩んでいた人もいたのだから。弁護士は死刑因の最後まで会って話を聞いていた人で遺体となって再会する辛さもあるだろう。 受け持った事件の中で『和歌山毒カレー事件』の状況証拠しかない状態で物的証拠もなく林眞須美に死刑が確定された。事件のおかしい点は数多くあるという弁護士の捜査がまだ続けられていた。 死刑存置派は見るべきだろう。ただ許せない事件も多かった。冤罪も疑わないといけないことがあるのだ。