旧友の死

あまりにも突然の話を聞くと人はそれを信じることができない。

幼稚園の頃からの旧友が死んだという話を聞いた。

どういうことなのか情報源の実家の母から詳しい話を聞く。友人らと一緒に飲んでいて急性アルコール中毒で昨年11月に亡くなっていたというのだ。彼の家は一人っ子。近親者でひっそりと家族葬だったのでお悔やみの情報が表に出なかったらしい。遅生まれでまだ26歳。

家が近く、同い年だというのでよくお互いの家に遊びに行ったりした。幼稚園~高校まで同じ、クラスは違えども時々会っては話をしたりしていた。最後に会ったのは高校卒業後、私は専門学校に入って夏休みに帰省している頃。突然メールが入り、夜のドライブに行かないかと誘われる。ドライブと言っても同じ県内の心霊スポットを巡るだけだったのだが、もう一人高校時代の友人を誘って3人で取りとめない話をして帰った。

彼は車が好きで学校もスバルの車を整備をする所だという話を聞いていた。

小学校の頃はミニ四駆ハイパーヨーヨーにハマったり、高校の頃はスケボーにハマり、その話をしたりと色々楽しかったのだが…

あまりの突拍子のない話にまったく信じられない。死ぬには若過ぎる。少しうっかりした所もあったが彼が死ぬなんて想像もつかないことだったから…

高校2年ぐらいの時に彼が自転車で登校中に道路を斜めに横断しようとして前から来る車に気づかず、正面からぶつかって自転車は大破して身体は全くの無傷だったこともあった。学校の帰りに話を聞いて現場を検証してみた。進学校ではなかったが専門学校へ入学が決まって、時間をもて余していた仲の良い4人で帰りに道草をしたり、うどん屋にいったりしていた。

そんなあいつが死ぬなんて…

仲が悪くなったというわけでもないが、就職してから忙しくなり、実家の帰省も突然の思いつきだったり予定があったりで連絡を取れずにいたのだが、最後に会ってから8年程経っている。3年程前に携帯メールアドレスの変更の知らせを受けたことがあったのだがそれっきりだ。

詳しい話を聞きたくも、母も人伝いなので詳細を知らない。もう少し時間が経ったら話を聞きに彼の家に行きたい。高校時代の友人も連れて。