ブハラ人形(ウズベク・パペット)
Ўзбек кукла(ウズベク・クークラ)ロシア語表記、ウズベク人形。
uzbek puppet
ウズベキスタンはソビエト連邦国家の一国として長い間社会主義体制を歩んできたが、その間宗教の弾圧も行われ、過去に紹介した歴史的建造物のモスクやメドレセも当時は閉鎖され、物置にされていた時期がありました。宗教の弾圧の他に、西側の娯楽、政府批判なども禁止。そんな弾圧の中で比較的緩やかだったのが人形劇やアニメーションでした。
旧ソ連時代のチェコではパペット・ショー、マリオネット、ストップモーション・アニメは禁止されずに公開が続けられ、ヤン・シュヴァンクマイエル(一時期、秘密警察に検閲でフィルムを没収されたりしている。)イジー・トルンカ、カレル・ゼマンなど巨匠を輩出してきた。
ロシア(旧ソ連)でもユーリ・ノルシュテイン、ロマン・カチャーノフといったアニメーション監督が有名。
露骨な社会風刺や政府批判は検閲の対象になってきたようですが、セル画アニメや人形の映像表現としての豊かさは素晴らしいもので時代を超えて人気があります。
ウズベキスタンはイスラム教国(スンナ派多数)でしたが人形劇は昔からあったらしく、写真も残っている。
19世紀後半頃の大道人形劇の一団。楽器演奏は二人として演者は上に手を伸ばして演じていたらしい。この腰上の舞台になっているところはどうなっているのか不思議だがこのようなスタイルだったそうだ。
英語ではbukhara`s puppet theatreで検索できる。
人形の工房に入って制作者の弟子のひとりが人形の操作をやってくれた。首から下に伸びる支柱で首の操作を、裾の下に入れた手で人魚の両腕を操作する。お一つ如何と人形を勧められる。
これまでに訪れた旅行者で偶然人形の顔が似ている方と写真を撮ったそうだ。
人形の表情もお国柄がよく表れていると思うが、とてもアジアな雰囲気が表れていると思う。
脇を固める人形も特徴的に滑稽に表現されている。
制作の工程。
デッサンから粘土で立体を作り、頭の型を取ってその型から紙と糊を貼り付けて紙の頭部を作り、支柱を取り付け色を塗って衣装を着せて完成。
ブハラハーンを元にした物語や先祖代々住む夫婦の話など日本昔ばなしと似たような話らしい。
写真の彼が人形劇の師匠。世界的に有名らしい。
歴史的書物の挿絵か詳細はわからないが操り人形を使って遊んでいたという絵。
最年少の弟子。人形の頭部を制作中。型に紙を張り付けている。