チェコはアニメ大国。『クラバート』・『クリスマスの夢』

ずいぶん前に観た映画だけれども、素敵な映画。チェコ行ってみたいな~。

幻想の魔術師 カレル・ゼマン 「クラバート」 短編 「クリスマスの夢」

幻想の魔術師 カレル・ゼマン 「クラバート」 短編 「クリスマスの夢」

  • 出版社/メーカー: ブロードウェイ
  • 発売日: 2004/03/05
  • メディア: DVD

内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
アニメ大国・チェコ共和国を代表する先駆者的存在のクリエイター、カレル・ゼマンの代表作を集めた映像集。少年・クラバートが過酷な試練を乗り越え自由と愛する少女のために師匠に立ち向かう姿を描く『クラバート』と短編『クリスマスの夢』を収録。

ヨーロッパの伝統的な『魔法使い』を題材にした切り絵アニメーション。放浪少年クラバートの前に謎のカラスが現れる。カラスは「お前を待っていた。」と言って、彼を謎の水車小屋へと案内するが、そこには11人の少年達が粉引きの手伝いをされていた。カラスの正体はその水車小屋の主の魔法使いだった。魔法使いの親方に魔法を教わる約束をし、そこで住み込みで働くクラバートなのだが、親方は働く少年達の中から毎年一人と対決させ、命を奪う恐ろしい魔法使いだった。数年が経過し、自由時間がもらえる誕生祭の夜、カラスに変身したクラバートは村の少女に恋をする。少女に会う為に、親方にばれぬよう危険な行動をするようになるクラバートだが、少女の存在に気づいた親方と対決することになる。

独特な切り絵アニメーションのキャラクターや色使いが素晴らしい。人物は色の薄いどこか冷たい表情なのだが、背景が原色に近い色なので、そこが演出表現に一役買っていると思う。なにが印象的かというと、やっぱり空間を生む背景なんだろうね。静かなメロディーの音楽から、サイケデリックな効果音などもチェコ映画らしい。自由を求め、少女を守るためにクラバートは戦う。愛と自由、魔法、カラス、少女、骸骨などファンタジーらしいアクセサリーというかキーワードというか、使い方が素敵に感じる。ヨーロッパの魅力はやっぱりこれだね。

『クリスマスの夢』は、クリスマスの夜にプレゼントに夢中になる少女が、古い人形に愛想を付かしたことから、人形が動き出すといった話。短い作品で、制作年が1945年というのも驚くが、童心に返って「人形が楽しく踊りだしたらどんなに素敵なことだろうか」という夢に、見事に答えた作品だ。娘がいたら見せてあげたい作品だ。