笠智衆さ~ん!『東京物語』(53年・松竹)

「東京も見たし、熱海も見たし、そろそろ帰るとするか。」

東京物語

東京物語

  • 出版社/メーカー: Cosmo Contents
  • 発売日: 2007/08/20
  • メディア: DVD

内容紹介
日本映画を代表する傑作の1本。巨匠・小津安二郎監督が、戦後変わりつつある家族の関係をテーマに人間の生と死までをも見つめた深淵なドラマ。故郷の尾道から20年ぶりに東京へ出てきた老夫婦。成人した子どもたちの家を訪ねるが、みなそれぞれの生活に精一杯だった。唯一、戦死した次男の未亡人だけが皮肉にも優しい心遣いを示すのだった…。いまでは失われつつある思いやりや慎ましさといった“日本のこころ”とでもいうべきものを原節子が体現している。家でひとり侘しくたたずむ笠智衆を捉えたショットは映画史上に残る名ラスト・シーンのひとつ。

ついに観た!超有名作!もう世の中こんな感じだと思う。東京に住む息子、娘の家族は上京してきた親を厄介払いに熱海に行かす。親の相手など、せわしない私生活には邪魔でしょうがない。戦死した息子の嫁だけが、誠心誠意を持って尽くしてくれる。親子の関係とはいかなるものか?と考える構成。

母が危篤になったときにだけ一同に集まる子供たち。死んだ母の品を譲り受ける手はずをする長女、確かにいやな感じだけど、人間そういうものなんだろうと思ってしまう。尾張の寂れた風景に一人になった笠智衆。彼はこれからどう扱われるのだろう。確かにこれはすごい作品だ。

これを観る前にバッタリU君に出会った。なんだか久しぶりだけど、ヌーヴォに行くとだれかに会うな~。