お一人で御覧になる方は…『恐怖劇場アンバランスVol.3』

今回は『女』シリーズ。


恵子さん!なぜ君は僕を選んだ!         第5話『死骸(しかばね)を呼ぶ女』

でもさあ。物を作るということはどういうことかな?     第6話『地方紙を買う女』

DVD恐怖劇場アンバランス Vol.3

DVD恐怖劇場アンバランス Vol.3

内容紹介

心臓の弱い方、お一人でご覧になる方は、この「恐怖劇場アンバランス」はご遠慮下さい…。円谷英二、監修―。昭和ホラーが蠢く。 ―“恐怖劇場アンバランス”とは?!― 『怪奇大作戦』後、円谷プロが大人に向けて“真の恐怖”を描いた『恐怖劇場アンバランス('69年制作)』。一度はお蔵入りとなり、制作完了から放映まで実に3年もの年月を要した伝説の作品である(放送は'73年)。不条理、怨念、転生、呪い…男と女。人間が持つリアルな恐怖の数々を西村京太郎、松本清張鈴木清順藤田敏八ら一流作家競作、渡辺美佐子蜷川幸雄花柳幻舟ら異色キャストで贈るオムニバスホラーの金字塔。音楽:冨田勲

 第5話「死骸(しかばね)を呼ぶ女」 脚本:山崎忠昭/監督:神代辰巳/出演:和田浩治、珠めぐみ、六本木誠人、小林昭二ほか

 第6話「地方紙を買う女」 原作:松本清張/脚本:小山内美江子/監督:森川時久/出演:井川比佐志、山本圭、夏圭子、吉野よし子ほか

『死骸を呼ぶ女』

 婚約者の恵子から突然別れを告げられた坂井。親友・松岡との浮気によるものだと確信した彼だったが、突然の崩落事故で死亡してしまう。事故の連絡を受け、現場に駆けつける二人、坂井の死を聞いたショックから恵子はその場で意識を失ってしまう。依然、坂井の遺体が見つからない中、病室内の恵子が突然うなされる症状が現れる。それと同時に、事故現場で女性の姿が目撃される。不審に思う松岡の前に、死んだはずの坂井が現れる。

 監督は『青春の蹉跌』の神代辰巳。ホラーを詠うシリーズが、本作はラブストーリーの色が濃い印象。愛する二人の男の一方が死に、男を思う気持ちから幽体離脱を繰り返す女性。そして女性の力を借りて蘇る男。幽体離脱とゾンビを足して、それに愛を踏まえるという欲張った作品。ラストは蘇った男と対決する。幽体離脱を繰り返すその理由が元婚約者の為という悔しい思いに寄せる松岡の心境もなかなか「真実の愛は?」を決定させる恋愛映画みたいな感じ。

地理的演出に砂場のシーンが効果的。あ、対決シーンはその砂場なんだ。

 

『地方紙を買う女』

ある地方新聞社に「連載されている小説が面白いので、定期購読したいので送ってほしい。」という手紙が届く。しかし程なくして、「つまらなくなったので、もう送らないでほしい。」という葉書が。不審に思った小説家は、差出人の女の居所をつかみ、その理由を聞き出そうとするが、小説の内容を理解していない様子。疑問に思った小説家は、手紙から指定された日にちの新聞に記載されてある心中事件に興味を抱く。

タイトルからしてミステリー小説のようだけど、原作は松本清張。主な話は心中事件に関わる、連載小説を口実に新聞を買う女の謎を紐解く。内容からミステリーの要素が強いようだが、ラストはまったくの別の物のような印象。まったくの脇役の小説家の助手の存在がボンと前にでる。勢いのなくなった小説家の意地、支える側の助手の複雑な心境などが浮き出てくる。

『死骸を呼ぶ女』予告とオープニング。