『グッバイ、レーニン!』(03年・独)

グッバイ、レーニン!

グッバイ、レーニン!

  • 出版社/メーカー: カルチュア・パブリッシャーズ
  • 発売日: 2004/10/16
  • メディア: DVD

内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
激動の80年代末のドイツを舞台に繰り広げられるコメディドラマ。心臓発作による昏睡状態にあったため、ベルリンの壁崩壊、東西ドイツ統一の事実を知らない社会主義者の母親。ショックを与えることが命取りになることから、息子は事実を隠そうとする。

東西冷戦中の東ドイツ。一人西側に亡命した父のショックから言葉を失った母。その後、回復した彼女は社会主義政治活動に身を注ぎ、女で一つで子供二人を育ててきた。しかし息子が社会主義体制の反対デモに参加していたことから心臓発作を起こし、意識を失う。こん睡状態が続く中、ベルリンの壁崩壊、東西ドイツ統一の事実を知らないまま、8ヶ月が経過しようとしていたが、奇跡的に意識を取り戻す。意識は戻ったものの長生きはできないと診断されたが、ショックを与えるとさらに命に関わることから、子供二人はありとあらゆる手段で資本主義社会を隠し続けようとする。

ドイツ映画って、独特。フランス映画でもない、ハリウッド映画でもない『それらしさ』ってのはやはり映画を観ているとわかるもんで、お国柄って大切だと思う。社会主義から資本主義の変化を数ヶ月で経験した東ドイツの困惑ぶりがどれほどのものだったのか、それに家族愛、青春ドラマも踏まえて、喜劇的だがしっかりとしたドラマになっている。ショックが大きい政治体制の変貌、隠せば隠すほど以前の社会がどんなものだったのかを理解する。笑って知って、最後にホロリとさせる映画。

息子役の主人公が東側国?のスクーターで走り回るのが印象的。青春映画といえば自転車かバイクだよなやっぱり。西側体制になった後の馬鹿馬鹿しい文化や流行も、ある意味批判的だ。

社会の変化に若者は対応しきれる、でも年寄りには対応しきれないで「昔のほうがよかった。」なんてショックだけが後を引いて、過去に捕らわれてしまう。年寄りと若者の違いってこれなのかなと思った。

レーニン像を見上げるシーンは思わず笑っちゃうなあ。

不安定な世の中でも、将来のことを考える、そういった前向きな時代を描いた作品かも。