カンパネルラ~!『銀河鉄道の夜』(85年)
風がどうと吹き
木がひゅうと騒ぎ
草がざわざわとなびき
汽笛が
オーンと
聞こえてきます。
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)星祭の夜、病気の母を持つ少年・ジョバンニは、丘の上に現れた不思議な汽車に乗り込み、銀河の旅が始まる…。宮澤賢治の原作を別役実が詩的なイメージを膨らませて脚色、細野晴臣が音楽を担当した。大人にも見応えのあるファンタジーに仕上げている。
昨年のDVD馬鹿買いの残り一本がこれだった。新年初映画!日本アニメーション映画の有名作。宮崎駿のアニメの次に愛されるのがこの映画じゃないだろうか。一度観たことがある人はその世界観、音楽に驚いたことだろう。何度も観てるけどこの不思議な気持ち、また味わいたかった。
DVDだと音がいいのに驚く。また音響も、この時代のアニメの域としてはすごい。登場人物を猫にしたところがこの作品のいい所だと思う。絵本やヌイグルミのように、リアルさを追求しないファンタジーの素晴らしさは、動物の擬人化だと思うね。なんで猫?と思うけど、目が特徴的で、あのスラッとしたスタイルは神の化身だとか魔女の変身姿だとか、何か神秘的な存在なんだ。
まず冒頭の細野晴臣さんの音楽は何度聞いても驚く。無国籍で不思議なフィーリングで、夢の中というか異空間に入ったような感覚にしてくれる。
ジョバンニとカンパネルラ。微妙に似てない。
「鳥を捕る人」。うさんくさい顔をしているが、悪い人ではない。
ザネリは嫌なやつだ。
他にも「盲目の無線技師」、学校の先生に似た地質学者、牧師と幼い姉弟など、登場人物たちとの出会いがロードムービーのよさがある。
一面に広がるトウモロコシ畑で「新世界交響楽」が流れる気持ちのよさ、今は冬だけど、ホッとする暖かさに満ちている。学校の退校時間に流れていたあの曲だ。
この不思議な空間、せつなさ、素晴らしい。