カンパネルラ~!『銀河鉄道の夜』(85年)

風がどうと吹き

木がひゅうと騒ぎ

草がざわざわとなびき

 

 

汽笛が

オーンと

聞こえてきます。

銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

  • 出版社/メーカー: PIASM
  • 発売日: 2002/03/22
  • メディア: DVD

内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)星祭の夜、病気の母を持つ少年・ジョバンニは、丘の上に現れた不思議な汽車に乗り込み、銀河の旅が始まる…。宮澤賢治の原作を別役実が詩的なイメージを膨らませて脚色、細野晴臣が音楽を担当した。大人にも見応えのあるファンタジーに仕上げている。  

昨年のDVD馬鹿買いの残り一本がこれだった。新年初映画!日本アニメーション映画の有名作。宮崎駿のアニメの次に愛されるのがこの映画じゃないだろうか。一度観たことがある人はその世界観、音楽に驚いたことだろう。何度も観てるけどこの不思議な気持ち、また味わいたかった。  

DVDだと音がいいのに驚く。また音響も、この時代のアニメの域としてはすごい。登場人物を猫にしたところがこの作品のいい所だと思う。絵本やヌイグルミのように、リアルさを追求しないファンタジーの素晴らしさは、動物の擬人化だと思うね。なんで猫?と思うけど、目が特徴的で、あのスラッとしたスタイルは神の化身だとか魔女の変身姿だとか、何か神秘的な存在なんだ。

まず冒頭の細野晴臣さんの音楽は何度聞いても驚く。無国籍で不思議なフィーリングで、夢の中というか異空間に入ったような感覚にしてくれる。

ジョバンニとカンパネルラ。微妙に似てない。

 

「鳥を捕る人」。うさんくさい顔をしているが、悪い人ではない。

灯台守」。声は常田富士男さん。いい声。

ザネリは嫌なやつだ。

他にも「盲目の無線技師」、学校の先生に似た地質学者、牧師と幼い姉弟など、登場人物たちとの出会いがロードムービーのよさがある。

一面に広がるトウモロコシ畑で「新世界交響楽」が流れる気持ちのよさ、今は冬だけど、ホッとする暖かさに満ちている。学校の退校時間に流れていたあの曲だ。

この不思議な空間、せつなさ、素晴らしい。