『ハート・ロッカー』(09年・米)

「戦闘の高揚感はときに激しい中毒となる。戦争は麻薬である。」  クリス・ヘッジス 「お前はよくやれるよな。危険な賭けを。」「知るかよ。おれは…なにも考えてない。」
ハート・ロッカー [DVD]

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物語は省きます。 昨年度アカデミー賞作品賞を受賞したという話題作。イラクで活動するアメリカ軍の爆破処理班の日常を描いた作品。戦争映画のジャンルといえば主人公である兵士の苦悩やら仲間の死、国や国家を掲げた高揚作品だとか反戦、鎮魂だとか色々あると思うけど、この作品は兵隊の日常というカテゴリーからは脱線しないで常に緊張感のある現場の雰囲気を描いてるものだと思う。ドラマとしては少々薄い感じがするのだが、イラク戦争大義や兵隊の悲惨を描くものより、現場の意識と臨場感というのは伝わる。やたらと爆破処理班を前に出した作品ではあるが、そのイラクの仕掛け爆弾の脅威というものを感じる。画質はやたらと粒子が荒い。主人公はいかにも変な奴といった雰囲気があり、そこが爆破処理に携わる爆弾に対する無頓着ぶりが表れていると思う。